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スリムプランター(加工)

温帯睡蓮の植え付け容器として一般的に使われているのは浅型の駄温鉢です。サイズは基本的に7号が推奨されていますが、最近は10号サイズが必要な大型種も多くなっています。  睡蓮栽培の鉢が丸形なのはこれまで睡蓮は睡蓮鉢で育てるものと相場が決まっていた為、水鉢に合わせて丸い鉢が使われてきました。


しかしながら根茎が伸びる N.Lilypons 等の大型種を栽培する場合10号鉢でも大きさが足らないという問題が出てきます。  Berry's water Garden では当初温帯睡蓮の容器に浅型の駄温鉢を使用していましたが、角形のキングタライを使用していることでもあり、現在は ほぼ全ての鉢を収まりの良い角形の35cmプランターに切替ています。  キングタライは35cmプランターを4個収納することができます。ところが、[ N.Wow! ]を栽培したところ2つの問題が発生しました。 1つは根茎の成長が早くシーズン途中にプランターいっぱいになってしまいます。  2つめは花上がりが非常に悪いのです、春先の植替え時に蕾を確認するのですが植え替えの影響で成長せず腐ってしまいます。その後は花芽の兆候もなくこれまでに咲いたのは数年間で一度だけです。  同好者の間では「根茎が60cmほどに成長しなければ花が咲かないようだ」という情報も伝わっており昨年(2009年)の秋に65cmプランターに植替えることにしました。  ついでにこれまで一度も咲いていない [ N. Perry's Magnificent ]も咲かないのは [N.Wow! ] 同じ原因だと思われるので実験を兼ねて同じ65cmプランターに植替えました。


ところが、プランターのサイズをほぼ倍にしたところ鉢の合計(大きさ)=キングタライの広さになってしまいメダカやエビのスペースが確保できなくなってしまいました。  サイズが65cmあり今よりも幅がスリムなプランターがあればいいのですがそんな都合の良い物はありません。  容器選定の基準が根茎の成長にあったものなら容器の長さは重要ですが容器の幅は深さが確保できれば(根量)重要な要素ではありません。  私の求めているプランターが無いのであれば既製品を改造するしかありません  切って貼り合わせるというところまではすぐに思いつきましたが、貼り合わせ方に良いアイデアが浮かびません、接着剤で接着する方法はたぶん強度が保てないだろうし、ビスで止めると裏側にビスの先が出て危険です。  HCでいろいろ探していたときリベット機を見つけました。すぐ「これだ!」とひらめき接着方法は解決、いくつか試作を繰り返して改良した結果この方法で改造することにしました。  (ついでに35cmプランターもスリム化しています。)

Berry's Water Garden では、今年から温帯睡蓮の栽培容器を順次スリムプランターに切り替える予定です。

スリムプランター
NO.0102
項目 スリムプランター(大) スリムプランター(小)
イメージ スリムプランター(大)   スリムプランター(大) スリムプランター(小)   スリムプランター(小)
内容

65cmプランターの加工前と加工後の姿です。幅は4cm短くなっています。

35cmプランターの加工前と加工後の姿です。幅は3cm短くなっています。

NO.030405
項目 スリムプランター(小) リベット 転倒防止材
イメージ スリムプランター(小) リベット(表)   リベット(裏) 転倒防止材
内容

スリムプランターへの加工(表)(裏)

リベット接合状態

左 表側

右 裏側

鉢の安定が悪い場合底にアルミ金具を取り付けて転倒防止する。


工具
NO.010203
項目 プランター加工図 樹脂用のこぎり ドリル
イメージ プランター加工図  プランター加工図 樹脂用のこぎり ドリル
内容

プランターの加工図面です。65cmプランターは4cm分をカットします。35cmプランターは3cm分をカットします。

アクリルや塩ビ等の樹脂専用のノコギリです。

AC電源使用のドリルドライバー

NO.040506
項目 リベット機 カッターナイフ 荷造りテープ
イメージ リベット機   リベット カッターナイフ 荷造りテープ
内容

カットしたプランターを張り合わすために使用、接着剤やビス止めに比べて仕上がりが綺麗で確実に固定でき緩みにくい構造

ノコギリでカットした後切断面を滑らかにするために使用します。歯で切断面をしごくようにこすってバリを取り除きます。

布テープの特性として同じ幅で裂くことができます。カット幅に裂いたテープをカットするラインにあわせて貼り付け墨出しの代わりにします。 また、本体の接合前に布テープで仮止めすると穴加工がしやすくなります。


作業手順
NO.010203
項目 採寸 テープ貼り 切断手順
イメージ 採寸 テープ貼り 切断手順
内容

カットする幅がわかるよう測定して印をつけます。 

テープをカット幅に裂いて目印通りに貼り付ける。

@、テープに沿ってのこぎりで角を切断します。@〜A(4カ所)

A、プランターをひっくり返して中側の側面を上部まで切ります。全部を切ってしまうと強度が無くなり他の切断に支障が出るので上部を一部切らずに残しておきます。B〜C(4カ所)

B、底をテープに沿って切ります。最初の片側は全て切断せず強度確保のため1-2cm残しておく。D(1カ所)

C、残りの片側を切断します。今回は最後まで切断し先ほど残した最初の切断部も切断します。E(1カ所)

D、上部エッジ部を切断し完全に切り離します。F〜G(4カ所)

NO.04050607
項目 切断 補強片切断 バリ取り 接続材切断
イメージ 切断 補強片切断 バリ取り 接続材切断 接続材切断
内容

プランターを樹脂切断用のこぎりで切断します。

鉢底の四隅にに補強材があり、中央を切り取ったため間隔が切り取り部の幅より少し小さくなっています。このままでは接続材が収まらないので5mm程度カットします。

切断部にバリが残っているのでカッターナイフの刃でこそいで取り除きます。

切り取った部分は張り合わすときの補強として使用します。長さは鉢と同じなので中に入りきらないので水抜き穴の折り返し部で切断します。

NO.08091011
項目 接続材穴あけ 仮止め 穴明け・接合(上部) 穴明け・接合(下部 中央)
イメージ 接続材穴あけ 接続材穴あけ 仮止め 穴明け・接合(上部) 穴明け・接合(上部) 穴明け・接合(下部 中央) 穴明け・接合(下部 中央)
内容

切り取った接続材に接続用の穴を開けます。本体の方の穴明けはこれにあわせて行います。

穴明け位置に誤差がでないよう荷造テープで本体を仮止めします。

まず最初に上部両側の各2カ所を接合します。接合材をあてながらマジックで穴位置をマークしドリルで穴を開けてリベット止めをします。

次に底部の中央を接合します。長い方の接合材をずれないように固定しマジックで穴をマークしてドリルで穴を開けてリベット止めをします。


NO.12131415
項目 穴明け・接合(横部) 穴明け・接合(下部 両端)    
イメージ 穴明け・接合(横部) 穴明け・接合(下部 両端) 穴明け・接合(下部 両端)    
内容

次に側面の下部を接合します。この時点では接続材は本体にしっかり接合されているのでマークせず直接ドリルで穴を開けてリベット止めをします。

最後に残った底部両側を接合します。接合剤の切り合わせ部は長い方で短い方を押さえるように重ねて接合します。ここでもマークせず直接ドリルで穴を開けてリベット止めをします。

   

キングタライ プランター配置案
NO.01020304
項目 変更前(既製品使用) スリムプランター使用(1) スリムプランター使用(2) スリムプランター使用(3)
イメージ 変更前(既製品使用) スリムプランター使用(1) スリムプランター使用(2) スリムプランター使用(3)
内容

鉢同士が接触してスペースに余裕がない

鉢同士の間隔が確保でき窮屈さがなくなった。

65cmプランター2個と35cmプランター2個が収納可能、>65cmプランター3個の収納も可能

65cmプランター1個と35cmプランター5個の収納が可能だがスペースに余裕が無く葉が茂り出すと干渉が大きく現実的ではない